じっくり読み解く、あの人のホロスコープ　未来予想解説（中森明菜さん）

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中森明菜さんの1989年を占う　　　　　2/3ページ　　　　　2023.02.01　UP

ですが、「もしかして、ゴールに辿り着くかも!?」と唯一希望を持たせてくれる瞬間がこの年、明菜さんにやって来たのです。そう、ファーストクオーター期の到来です。

ギバウスムーン期生まれの明菜さんにとって、ファーストクオーター期の月は強力な援軍であり、救いの存在であると言えます。このときの月のエネルギーを借りれば、ついに欲しかったものを手に入れることができるかもしれない。ましてその月が、幸運の星木星が寄り添ういて座にいるとなれば、なおさらその思いは強くなるでしょう。期待するな、と言う方が無理です。

しかも（プ）月は、（ネ）と（プ）MCの近くにいます。MCはその人が努力によって到達できる最高地点や目標地点を表します。つまり、明菜さんの月は、目指すゴールが近いことを暗示しているのです。
また月は感情も表します。かに座生まれの明菜さんにとって月はルーラーなので人一倍、月の性質は敏感に作用します。欲しいものが愛情である明菜さんにとって、それを手に入れることができる瞬間がついにこの年、やって来たのです。

ですが悲しいことに、喉から手が出るほど欲しかった愛情を手にすることはできませんでした。約30年に一度来る貴重なチャンスは、指のあいだからすり抜けて落ちていってしまいました。

なぜでしょうか？
それは明菜さんが生まれたときに持っていた星回りの悪さに加え、この年の土星や天王星といった遠い位置にある星たちの状態が良くなかったからです。（男性側の問題は置いておくとして）

星は遠い位置にあるものほど、強い影響力を持ちます。占星術において、最も影響力が大きい星は冥王星です。
天文学の世界では準惑星に降格させられてしまったこの小さな星は、しかしその待遇にそぐわず、私たちに破壊や崩壊といった強い衝撃をもたらします。

明菜さんの（ト）冥王星は、さそり座にいます。さそり座と冥王星はドミサイルの関係なので、さそり座そして冥王星の性質は表れやすいでしょう。
さそり座は、ターゲットと一体化することが目的のサイン。相手が逃げようものなら、それこそ地の果てまで追いかけますし、例え近くにいても「浮気はしていないか」「自分だけを見ているか」と、常に疑ったり不安になっていたりします。

そんなさそり座の性質と共鳴し合う（ト）冥王星は、（ネ）金星とスクエアの位置関係です。
金星は愛の星。そしてスクエアは悪運や試練など、災いをもたらすアスペクトとされています。しかもその災いはある日突然やって来るので、予防も防御もできません。そのアスペクトを背負った者は、襲い来る災難をただ全身で受けるしかないのです。

冥王星には妥協しないというキーワードもありますので、この年の明菜さんは徹底的に彼を愛し抜こうとします。しかしその命を懸けた決意が、嫉妬や束縛といった苦しみを招き、相手とのトラブルを何度も起こしてしまうことになるでしょう。
さらにこの年、明菜さんは人生がひっくり返るような、衝撃の激し過ぎる出来事を経験しそうです。もっとはっきり言ってしまえば、死そして新たな命の誕生に立ち会うかもしれません。ここでひとつの命が終わり、新しい命が生まれる。まさに激動の一年になりそうです。

冥王星の次に影響力の大きい星が海王星です。明菜さんの（ト）海王星は、（ネ）月とコンジャクションになっています。
感情を表す月の真後ろから、海王星が夢の世界へと月をいざなうため、目の前の現実が本当なのかそれとも妄想なのかがわからなくなってしまうでしょう。そしてただでさえ敏感な感受性が刺激されるので、些細なことで傷つき、心は大きく揺れ動きそうです。

明菜さんを骨抜きにしてしまうこの年の海王星は、（ネ）火星にも襲い掛かります。
（ネ）火星は（ト）海王星とスクエアになることで、火星が持つ攻撃性は失速し、どんどん遅れを取っていきます。やる気は失せ、目標を失うことでしょう。体調も不安定になり、体調も崩しやすくなります。
この心身の不調が「自分がいかに欲深く、そして感情的だったのか」を知るきっかけとなり、それが良心に対して重荷になってしまいそうです。
欲深さや感情の揺れは、どんな人にも大なり小なりあるものですが、これまで純粋にわき目も振らず、ただターゲットだけに向かって一途に走り続けてきた明菜さんにとって、そんな人間の汚れた部分は気持ち悪くて嫌でたまらなかったのでしょう。まだ24歳という若さであれば、それも仕方がないことだと思います。

（ネ）火星は、（ト）天王星ともスクエアになります。
せっかちで攻撃的な火星の真横から、変化や混沌が大好きな天王星がトラブルはもちろん、状況の複雑化などももたらします。

とても衝動的になるでしょう。普段ならできないようなことも行動に移してしまえる大胆さや決断力が働きそうです。
海王星の強さから考えれば、強い意志のもと覚悟を決めて決断するというよりは、夢見心地のままただ「はい」と答えてしまっただけで、そこに何かしらの意義はないと思います。行動を起こした結果、どれだけ大きな騒ぎになったり大勢の人に迷惑をかけてしまうのかといった現実は、想像できないのです。

ただ時と場合によっては、こうした思い切った行動が、人生に新しい風を呼び込むきっかけになったりします。しかし明菜さんにとってこのアスペクトは、そんな風向きにはなりませんでした。それは元々明菜さんの性格が閉鎖的で、自分以外の考え方がこの世には存在しないとすら思っているふしがあるところが原因のひとつと言えるでしょう。骨身に沁みついた考え方を、一朝一夕で変えることなどできない、ということです。

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